"Art exhibition 1st  'Tetsuaki Nanjo' " - Group  Exhibition

 

23, 24 April, 2022  |  Azumatei Project, Tokyo

Open hours:14:00-18:00

 

美術展覧会第1回 「南條哲章」 - グループ展

 

2022年4月23日(土)、24日(日)  |  Azumatei Project, 東京

時間:14:00〜18:00

​参加作家

東亭 順

烏山秀直

酒井一吉

田中啓一郎

南條哲章

Artists

Jun AZUMATEI

Hidetada KARASUYAMA

Kazuyoshi SAKAI

Keiichiro TANAKA

Tetsuaki NANJO

 10年ほど前に東京から長崎へ活動拠点を移した烏山秀直*とは、かれこれ15年の付き合いになる。そんな彼と企画したイベントのため、2014年に初めて長崎を訪れた。はじめて搭乗するソラシドエアの機内サービスでは、乗客のほとんどが「あご」とリクエストしていた。正体がわからないまま興味本位で頼んでみると、それは柚子のきいたほっこりとする出汁スープだった ――と同時に、母が「あご」を好きだと言っていたことを同時に思い出し、長崎はカステラだけでなく「あご=とびうお」も名産なのだな、と合点したのだった。 ―― 小さな窓の外には入り組んだ地形が広がり、湖に浮かぶ小さな島に滑走路が見える。それは湖でなく海だったことを後で知るが、この大村湾は琵琶湖の半分ほどの大きさであり、全国的にも珍しい超閉塞海域といわれている。この湾の北西に広がる佐世保湾から、針尾瀬戸と早岐瀬戸という河川と見間違えるような海を通じて海水を引き込んでいるので、独特な潮の満ち引きがくり返されているのだ。長崎空港はその湾の南東に浮かぶ箕島 (大村市) に位置し、その更に南東の一番奥まった湾内で烏山となんどか釣りを楽しみ、その釣果を料理して食したことがあるが、塩加減が外海のものとはすこし違うようだったことを覚えている。適度な潮風や陽射しを受ける急勾配の地形は、柑橘類を育てるのに適しているそうで、みかんやポンカンの産地としても名高い。穏やかで白波が立つことも少ないこの海によって豊かな恵みを享受する一方、ハウステンボスの南東にある東彼杵 (ひがしそのぎ) には戦時中、回天(人間魚雷)の発射試験が行われていたという片島魚雷発射試験場跡がある。昨年の春に伊万里経由でそこを訪れたが、屋根が抜け落ちた本営跡地でウェディング関係の撮影が行われ、そのすぐわきの船着場では釣り糸を垂れる家族連れが暖かな陽射しを受けていた。この遺構について長崎観光連盟のサイトは、「エモいロケーションでアートな表現を」と紹介しており、サブカル系の撮影地としても注目されているようだ。

 

 長崎空港に降り立つと、修学旅行の集合写真でよく見かける謎のポーズをとる大きな像や、カステラ、ちゃんぽんなどのご当地パネルが寂しげに歓迎してくれた。到着口では満面の笑みを浮かべながらiphone 6 plusを構えた烏山が元気な姿で待ち構えていた。幼馴染からゆずり受けたというHONDA CR-Vに乗り込み、空港から対岸までの長い一本橋を渡って一路長崎へ向かう。想像していた街並みと随分と違うものだなぁと思っていると20分ほどで到着した。人気もまばらな駅前である。そこは昭和のヒット曲「長崎は今日も雨だった」の路地が入り組むスナック街の長崎ではなく諫早だったのだ。いや、前川清は佐世保出身だから故郷の佐世保を思って歌っていたのかもしれないが……。諫早 (いさはや) というと1997年に干拓事業として潮受け堤防が次々と閉められるというショッキングな映像が全国に流れたあの街である。現在では、ギロチンシャッターの上に車道が通されていて、ドナルド・ジャッドの作品のごとくシャープにエッジをきかせながら約7キロある対岸同士を一直線に結び、海と干拓地の境界を示している。ここ諫早は、有明海に続く諫早湾、外海側に橘湾、そして大村湾と3つの異なる湾に囲まれた珍しい土地でもある。木造平家造りだった駅舎も最近になって大改築され、スタバも入る複合施設の駅ビルに生まれかわった。近くには本明川が流れ、川岸に整備された遊歩道を学生たちが下校している。恋を語りあうには絶好のシチュエーションだろう。そんなエリアに烏山が室長を務める諫早造形研究室がある。古き良き(もしくは悪しき)昭和を感じさせる佇まいのままのその研究室は、とにかくすこしでも上位ランクに合格させるための美術予備校というよりも、進学後に続く美術との関わりかたに指導の重心を置いた寺小屋めいた趣がある。そこで事務や会計、学科講師や室長補佐として烏山をフォローしているのが、本企画の主役となるアズプロ第四の男、南條哲章である。2014年以降になんども長崎を訪れ、釣りを楽しみ、おすすめの道の駅を案内してもらい、潜伏キリシタンの地を辿り、ちゃんぽんやトルコライスを食べくらべ、皿うどんの裏メニューを覚えながら、研究室に集まる烏山の教え子たちとも交流を深めるたびに、忙しい合間を縫っていつも彼は顔を出してくれた。そして2018年の終わり頃、アズプロの立ち上げを快諾してくれた。

 

 「この南條とはいったい何者なのか?」と、これまでに何度か質問されたことがある。彼を説明するには長崎・諫早について書かなければいけないように思いこのように紹介が長くなっているが、彼はアーティストではない。というと、では何をする者がアーティストなのか。アーティストと称する者の作品が本当にアートかどうか。アートとはなんだ? というブーメランが返ってくるのだが、一般的にいう表現者としてのアーティストではない。大学では工学部に在籍し、企業に勤め、現在は地元諫早で新しい家族と暮らし、保育園を設立し、三代続く市議会議員の父親を補佐し、地域の消防団にも属し、地元ではすこぶる顔が広い。さらに幼馴染の研究室を支え、アズプロのメンバーでもある男、それが南條哲章だ。とはいえ、それは彼の表層の一部に他ならない。アズプロでは、メンバーのそれぞれが企画を打ち出しその運営を担っているので、本人が行動しないかぎり何かがはじまることはない。今回で28回目となる本企画では、その他のメンバー四人 (烏山秀直、田中啓一郎、酒井一吉、東亭順) が個別に南條をインタビューし、何かしらの表現物としてそれぞれ提示することになった。

 

 もしかしたら南條は、自らが動くのではなく自発的にメンバーが動くのを待っていたのかもしれない。不動だからこそ生み出せたともいえるこの企画の開始から、四人の美術家たちが一人の男にロックオンした。妄想と思考を四六時中くり返しながら南條哲章という男を考える旅に歩み出したのだ。南條と我々インタビュアーとのやりとりを収めた記録映像で、それぞれの異なる切り口やその経過を通して、アズプロ第四の男=南條とは何者か? という人間の解体が始まる。また一方では、ねるとん紅鯨団の告白タイムではないが、この告白とも言える創作行為によって、我々の人間関係が今後どのように深化するのか楽しみである。

 

*烏山秀直(画家/アズプロ創立メンバー。諫早造形研究室とNagasaki Factoryにてsongs for a pigeonを開催した。)

 

東亭順(現代美術家)

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